厚生労働省の統計によりますと、スマホなどを使って医師が遠隔で診察する「オンライン診療」が、2024年7月は14万4966回と約1年前から倍増したことが判明しました。20~30代の患者の利用が伸びているそうです。ここまでの経緯を簡潔にまとめてみましょう。
2018年度診療報酬改定の「オンライン診療」ポイント
- オンライン診療料が新設
2018年度改定で初めて保険適用となり、「オンライン診療料(70点/月)」「オンライン医学管理料(100点/月)」などが新設された。 - 対象・要件
- 対象は「特定疾患療養管理料」等を算定している患者に限る。
- 初診から6か月間は毎月対面診療が必要。安定後、定期的なオンライン診療が可能になる。
- オンライン診療を行う際は、医師と患者がリアルタイムで映像・音声を通じてやり取りできることが条件。
- 対面診療の補完的位置づけ
- オンライン診療はあくまで「対面診療の補完」。急性期などの新しい疾患や診療計画に含まれない病気は、対面診療が必要。
- 診療報酬点数は対面診療より低い
- オンライン診療の点数は、従来の対面診療より低く設定されている。
- 目的
- 通院困難な患者や遠隔地の患者、高齢者への医療アクセス向上を目的とする
2018年度診療報酬改定では、「オンライン診療」が正式に評価され、その普及に向けた体制と厳格な要件が整備されたと言えます。
それが、2022年には、どうなったかと言いますと…
2022年 オンライン診療の恒久化のポイント
- 初診からのオンライン診療が恒久化
- 2020年からの新型コロナ対応で認められていた特例措置(初診を含む全面的なオンライン診療解禁)が、2022年に恒久化されました。
- それまで「慢性疾患のフォローアップに限る」など制限されていたオンライン診療が、「初診」から原則可能となりました。
- 原則・例外の整理
- 原則「かかりつけ医」が初診からのオンライン診療を担う。ただし、患者情報(診療録、診療情報提供書、健康診断結果など)を事前に把握できる場合には、かかりつけ医以外の医師でも実施可能となりました。
- さらに、必要な情報が事前になくても、医師がオンライン問診等で十分な情報を取得し、患者と協議できれば診療が可能とされました。
- 診療報酬の見直し
- 2022年の診療報酬改定で、オンライン診療の報酬が対面診療の9割程度に引き上げられ、経済的な障壁が緩和されました。
- これまで普及の妨げとなってきた「対象疾患の制限」や「初診以降の一定期間は対面診療義務」などの規制も、多くが廃止・緩和されています。
- 対象疾患の拡大・普及促進
- 初診のみならず、幅広い疾患がオンライン診療の対象となりました。
- 2022年当時、医療機関の約15%がオンライン診療を導入しています
- 対象・要件
- 対象は「特定疾患療養管理料」等を算定している患者に限る。
- 初診から6か月間は毎月対面診療が必要。安定後、定期的なオンライン診療が可能になる。
- オンライン診療を行う際は、医師と患者がリアルタイムで映像・音声を通じてやり取りできることが条件。

まとめ
改定前(~2021年) | 2022年以降(恒久化) |
---|---|
オンライン診療は主に「慢性疾患」などに限定 | 原則 すべての疾患(初診含む)が対象に |
かかりつけ医中心に実施 | 情報が得られていれば、かかりつけ医以外も可 |
初診は原則「対面診療」 | オンラインで初診も可能(医師が必要な情報を把握した場合) |
オンライン診療料など独自の点数(例:71点/月) | オンライン初診料:251点(対面初診:288点)、再診・外来診療料:73点(対面と同等) |
条件によって、3ヶ月に1回は対面診療が必要 | 「対面診療への切替え」要件は大幅緩和 |
電話診療(一部特例で算定)も可 | ビデオ通話のみ対象。電話診療は原則不可 |
医学管理料などは従来点数 | 一部管理料が新設・見直し、点数の引上げ |
ポイントは・・・
- オンライン診療の「恒久化」により、初診から幅広い疾患や患者が対象となり、利便性・アクセスが大きく拡大。
- 報酬体系も刷新され、従来の「オンライン診療料」は廃止、新しい評価体系に統一された。
- ビデオ通話が必須となり、実施は「オンライン診療ガイドライン」遵守が要件。
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